『ユリイカ』特集*バンクシーとは誰か? 寄稿のお知らせ

こんばんは。暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。僕のスタジオはエアコンがないので熱がこもって大変ですが、9月に小さな展示があるのでそれに向けて制作中です。

さて、つい先日発売された批評誌『ユリイカ』(青土社)のバンクシー特集号「バンクシーとは誰か?」(http://p.tl/478C)に、以下の内容で参加しております。


いとうせいこう氏との巻頭対談「名前と顔と壁が与えられたとせよ」

◯論考「バンクシーズ・リテラシー——監視の視線から見晴らしのよい視野にむかって」

◯シンポジウム「ポストグラフィティの開拓線」記録


グラフィティやストリートアートの言説が圧倒的に不足するなか、とても貴重な特集号になっています。ぜひこの機会に、目を通して頂けると嬉しく思います。その上でですが、補足が2点あるので、この場でお知らせします。

まず、いとうせいこうさんとの対談の冒頭、45ページで、映画「WILD STYLE」の「公開された年」を1982年としていますが、これは「製作された年」の間違いです。公開は1983年になります。

それから拙稿「バンクシーズ・リテラシー」ですが、後半で考察しているマーブルアーチのステンシルに関して、該当する図版を本来は掲載するはずでしたが、手違いで掲載されませんでした。図版がなくても内容は理解できるように書いたつもりですが、やはりあったほうがより分かりやすいですし、とても印象的なイメージだと思うので、論考を読んで興味をもたれた方はぜひ該当図版のほうも確認してみてください。バンクシーの作品集『Wall and Piece』英語版(http://p.tl/JHxV)の86—87ページに掲載されています(僕は『Wall and Piece』の日本語版を持っていないので、日本語版でも同じページになっているかは未確認です)。

補足は以上です。僕個人として至らぬところがあり、読者の方々に対しては申し訳なく思っています。思えば今回の仕事は、急遽いとうさんとの対談が決まったり、シンポジウム原稿の校正中に登壇者のひとりであった林文浩さんが急逝されたりと、波瀾万丈でしたが、ひとまず無事に出版されてほっとしております。青土社の編集者の方をはじめ、他にも多くの執筆者が協力しあってできた号なので、見応えはあるでしょう。個人的には特に、亡くなられた林さんの言葉が、今となっては身に刺さるように感じられます。この特集号が多くの読者の手元に届くことを願っています。

ちなみに、バンクシー監督の映画「EXIT THROUGH THE GIFT SHOP」(http://p.tl/sUFL 渋谷シネマライズ他で公開中)も大ヒットしているようですね。ユリイカとあわせてお楽しみください!