Updates:「情報とドローイング―希薄化する身体の現在地」

直前になってしまいましたが、下記のトークイベントに出演することになったのでお知らせです。名和晃平さん、小崎哲哉さんと一緒ということで、かなり面白い内容になるかと思います。暑い日が続きますが、ぜひお誘い合わせのうえ、ご来場ください。

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Talk Session "Information and Drawing―Current Position of Diluted Bodies" トーク「情報とドローイング―希薄化する身体の現在地」

TOO MUCH Magazineの主催するレクチャーシリーズ「Romantic Geography」。今回は若手注目株の2人のアーティストを迎え、ドローイングについて考えます。情報化の加速によって身体が希薄になってしまいかねない今日、もっとも初源的な身体を用いた制作行為であるドローイングは、今、どこに向かっているのでしょうか。現代彫刻の名和晃平とストリートアートの大山エンリコイサムという、異なる手法で活躍するアーティストが、ドローイングに焦点をあて、それぞれの創作を見つめ直し討論します。また両者の活動をよく知る小崎哲哉が参加することで、より多角的な視点からアーティストとドローイングの関わりを分析していきます。

名和は、インターネット経由で取り寄せたオブジェクトをビーズで覆いつくすPixCellなどの彫刻シリーズで知られています。 それらの作品は、作り手の身体とのやり取りから生み出される造形というより、情報環境を通して出会ったイメージをそのまま彫刻化したものと言えるでしょ う。また、グラフィティ文化は都市のなかで機動する鋭敏な身体感覚を想起させますが、大山の場合はむしろ、メディアを介した視覚的なグラフィティ図像のアーカイブからクイックターンという造形要素を抽出し、それを用いて壁画や絵画作品をつくっています。

このように、一見すると両者とも、いわゆる身体性から一度は距離を置いたところで制作をしているように思えます。ただ、彫刻の印象がつよい名和もドローイングの作品を多く制作していることや、大山がライブペインティングの活動をおこなっていることからも伺えるように、そこには迂回したかたちでの身体への関心が見て取れるのもまた事実です。それはオーガニックでわかりやすい身体ではないかもしれませんが、そうであるからこそ情報化が強まる現代社会において、美術制作における身体感覚とはどのようなものかを再考するひとつのきっかけとして捉えられるでしょう。

コム デ ギャルソンとのコラボレーションやホテル アンテルーム 京都のアートワーク、またアジアン・カルチュラル・カウンシルのニューヨーク滞在経験など、共通点も多い作家同士の初となる公開対談です。ご期待ください。

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2012年8月4日(土)|原宿VACANT 〒151-0001 東京都渋谷区神宮前3-20-13|開場13時30分/開始14時|入場料:1,000円|出演:名和晃平・大山エンリコイサム・小崎哲哉|予約:booking@n0idea.com(VACANT)
VACANT http://goo.gl/sPTFN
CBCNET http://goo.gl/0IbWy
HITS PAPER http://goo.gl/HIbY8
Real Tokyo http://goo.gl/ons7D

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名和晃平(なわ・こうへい)
1975年生まれ。彫刻家として、現代美術の領域で注目を集める。京都造形芸術大学准教授(総合造形コース主任)。独自の「PixCell = Pixel(画素) + Cell(細胞・器)」という概念を機軸に、多様な表現を展開する。2009年、京都・伏見区にクリエイティブプラットフォームとして 「SANDWICH」を立ち上げた。auのデザインプロジェクト「iida」や、ミュージシャン「ゆず」のPVやステージセット、COMME des GARÇONSとのコラボレーションまで、携わるプロジェクトは多岐にわたる。昨年6月には東京都現代美術館で個展を開催。2012年9月、韓国の ARARIOギャラリー(ソウル/チョナン)で2つの個展を同時開催。また、チョナンに大規模な屋外彫刻”Manifold”を設置予定。http://www.kohei-nawa.net http://sandwich-cpca.net/
大山エンリコイサム(おおやま・えんりこいさむ)
美術家。1983年、イタリア人の父と日本人の母のもと東京に生まれる。慶應義塾大学卒業後、東京芸術大学大学院修了。「Quick Turn Structure(急旋回構造)」という独特のモチーフを軸に、ペインティングやインスタレーション、壁画などの作品を制作・発表する。また現代美術とストリートアートを横断する視点から、論文執筆やシンポジウムへの参加も並行して行なう。2011年秋のパリ・コレクションではコム デ ギャルソンにアートワークを提供するなど積極的に活動の幅を広げている。http://www.enricoletter.net
小崎哲哉(おざき・てつや)
1955年、東京生まれ。ウェブマガジン『REALTOKYO』及び『REALKYOTO』発行人兼編集長。カルチャー雑誌『03 TOKYO Calling』副編集長、インターネットエキスポ日本テーマ館『Sensorium』エディトリアルディレクター、アート雑誌『ART iT』創刊編集長などを務め、CD-ROMブック『マルチメディア歌舞伎』や、写真集『百年の愚行』などを企画編集した。京都造形芸術大学客員研究員、同 大大学院講師。同志社大学講師。あいちトリエンナーレ2013の舞台芸術統括プロデューサーも務める。

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どうぞ宜しくお願いします!