METAGRAFFITI

一週間ほどロンドンに行ってました!


帰りの飛行機で体調を崩してダウンするなどトラブルもあったのですが、他はおおむね順調。旅行の主目的は達成できたし、アートスポットも結構まわれたので満足です。ロンドンは初めて(正確には幼い時に一度行ったが記憶なし)でしたが、外国人にとっては住みやすそうな街でした(まあ大都市はどこでもそうか・・)。


テイトモダン、テイトブリテン、ヘイワードギャラリー、サーチギャラリー、ナショナルギャラリー、ホワイトキューブなどミーハーなノリ(?)で一通り見ましたが、全てとても良かったです。大英博物館だけは時間が合わず閉館後に着いてしまい、ミュージアムショップだけ見ました(笑。展覧会の中では、ヘイワードのMark Wallinger Curates:The Russian Linesman展と、サーチのUNVEILED:NEW ART FROM THE MIDDLE EAST展が特に良かったです。テイトモダンのロニ・ホーン展とIstitute of Contemporary Artのショーン・シュナイダー展も◎でした。一方で、ナショナルポートレイトギャラリーのリヒター展はいまいち。まあ単に好みの問題ですかね・・(汗。


が、しかし、個人的にはIstitute of Contemporary Artで購入したMETAGRAFFITIというグラフィティの実験映像集(BOOK+DVD)が一等賞でした。



前にレヴューハウスという批評誌に「グラフィティからポストグラフィティへ」という小文を書きましたが、そこで念頭に置いていたのが、ポストグラフィティの展開における3つのフェイズの存在でした。それは「視覚的イメージの位相」と「アクティヴな身体の位相」、そして「都市ランドスケープの位相」の3つなのですが、2つめの「アクティヴな身体の位相」に関しては、自分たちが以前から自覚的に行っていたライブペイントのショウケースなどを除くと、他に実例を求めにくい部分があり、それが実は自分にとってもややネックになっていました。


(↓この映像ではあまり内容の良さが出ていない・・)


ところが、このMETAGRAFFITIのDVDに収められている映像群は、まさにこの「アクティヴな身体の位相」を例証するために創られたのではないか(!)と疑いたくなるくらいドンピシャな内容なのです。本の方には、結構ちゃんとしたコンセプトやマニフェストらしきものまでしっかり載っています(まだ読めていませんが)。ポストグラフィティの問題を考える上での、かなり重要な、示唆に富んだものではないかと個人的には感じています。


もちろん、身体うんぬんを抜きにしても、誰が見ても新しい&面白い(ポスト)グラフィティカルチャーの最先端が見れるこのDVDは、かなりおススメ。クレジットを見ると、どうやら2009年に出たばかりなので、国内では入手難しいかもしれません、欲しい方はネットが良いのでは?ちなみにスウェーデンで出版されたようです、スウェーデン渋いですね。